読書「常設展示室」
常設展示室 原田マハ
ふとしたことで悩んだり、日常に潤いを求めて、とか、はたまた人生の岐路に立ったとき、「そうだ、絵を観に行こう」という心がある人が眩しく見えるわたしだ。
美術館の常設展示室では、あなたを癒す画が、いつも同じ場所でお待ちしている。
いいな。そんなよりどころがあれば。
何かあった時に「美術館」で癒されたいという思考は皆無。残念ながらナッシング。
わたしという人間の中身はとても教養も内容もなくて、薄っぺらい。
一反木綿~(笑)
そういえば、若い頃、カラダがやたら薄っぺらかったので(胸もペッタンコで 笑)
一反木綿のようね、と云われて小さく傷ついたことがある。。
閑話休題。
芸術など語ったら最後、地雷を踏んで自滅しかねない、薄っぺらなわたしが、
マハさんのアート小説を読むことは、ちょっとした修行とも思っている。(←大げさ)
ストーリーと作品が合体したとき、頭の中の小さな教養スペースに、一滴の潤滑油が滴るような気分になれる。
潤ったわぁ、わたし。。という気分。
人生の岐路に立つ人々が、世界各地の美術館で出会う運命を変える一枚。
人生のきらめきを描き出す極上の6篇。
短編集。ひとつのストーリーに、ひと作品。
寝る前に一編づつ読む。
ちょうどよい長さに、寝つきが良くなるストーリー。
これは「修行」と感じることなく、無理なく読める短編集だった。
最後の「道」が抜きんでて良かったな、と思ったのは、東山魁夷のその作品を以前から知ってるせいだろうかと、読書メーターなどちらっと読んで確認作業などしてみると、やはりそうおっしゃてるかたが多かった。
万人がいいと思うものは、やっぱり間違いなくいいということだ。