浮きの小箱

雑感を小箱に詰めていきます。

読書 「鳩の撃退法」(上・下)

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鳩の撃退法(上・下) 佐藤正午

 

 

blogから遠ざかって、二か月も経ってしもうた。

このblogに切り替えてから「blogを書く」ということがルーティン化してないことが明らかなわたしの日常よ。

わたしの「ToDoリスト」では、blogは「無理せず」とか「やる気になるのを待とう」のランク付けだからいけない。

年末になり、やっと「やる気」の芽が出たよ(笑)

 

とはいえ、相変わらずのペースで読書はしてるわけ。

読後、熱が冷めやらぬうちが、気持ちの入ったホットな「読後感」が書けるというものです。

「鳩の撃退法」は、今年一番手ごたえがあった作品でした。

読んですぐに、この場に書いたなら、どんなに熱く語れたものだろう…と少々反省をしながら、とにかく”今年一番”の小説だと、ここに気持ちを少し落としていきます。

(注 「鳩の撃退法」は2014年刊行。新刊ではありません)

 

「鳩の撃退法」と検索すると、「鳩退治」の方法などが出てくるので笑えるの。

「鳩の撃退法 佐藤正午」と検索するのをお忘れなくね。

 

佐藤正午の小説は面白いよ」と文学好きの知人に教えてもらってから、佐藤さんのいろいろな作品を読んできたけれど、この方の小説は、いちいち面倒くさいのだ。

その面倒くささが、好きか嫌いか分かれるところだが、わたしは大好物、癖になる。

 

面倒くさい佐藤さんの小説の中でも、「鳩の撃退法」は面倒くささが飛びぬけていて、

ストーリー展開の行きつ戻りつ具合が半端なく弾けている。

「めんどくさいわーこれ」、と思いつつ、読む手が止まらない。

時々気を抜いて読んでいたら、必ずや後戻りする羽目になるのは憎たらしいところ。

不真面目なストーリーなのに(⁉)、一字一句、真面目に読まなきゃいけないのだ。

 

「上」から「下」へ夢中に一気読み。

先がまったく読めない摩訶不思議な面白さにくわえ、偏屈なストーリー展開が、時間を置くと絡まりそうで、ひたすら読む。

作者の思うつぼ?って感じだ(笑)

 

主人公は、かつては直木賞を取ったものの、いまはその日暮らしで場末で暮らす小説家、津田伸一。

なかなかの皮肉屋で、つかみどころのない奴である。

佐藤正午さんの顔を津田伸一に被せて読んでいるわたしがいた。

(思うつぼの、せめてもの仕返しに 笑)

それは、佐藤さん的には、どーなんだろう。聞いてみたい。

 

「鳩の撃退法」、もっといいタイトルあったのでは?と思うが、これインパクトなさそうで、けっこうあるね(笑)

ストーリーとタイトルと結びつくのは「下」に入ってから。

伏線をひろってひろって、そこに行き着くか~って、意外性に驚愕したり脱力したり。

 

再読したら、より味わいに深みを増すと思うわ、この小説は。

来年のToDoリストに「鳩の撃退法をも一回」と書いておこう。

 

 

特別な今年もあとわずか。

あと20日、特別な年をしっかり心に留めて過ごしたい。

 

では良いお年を。