浮きの小箱

雑感を小箱に詰めていきます。

俳句、のようなもの「ゼラニウム」

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ゼラニウム平坦な日に水をやり

(ぜらにうむ へいたんなひに みずをやり)

 

 

八月、正しく梅雨が明け、猛暑の予感。

 

ゼラニウムってよく見るお花で、けっこう大きくなるまで名前も知らなかったし、知ろうともしなかった。

いつもあるもの、あって当然なものは、関心や興味の範疇に入らないことは、わたしの欠点その1。

(欠点は並べると、その20くらいはある 笑)

 

なんでもない、ありふれた一日の始まりに、わたしにもお花にも水を。

 

 

読書「ライオンのおやつ」

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ライオンのおやつ  小川糸

 

わたしはふつうに見えるけれど、実はへそ曲がりな気持ちを持っていて、小川糸さんが書くような、優しく温かな、赤ちゃんのおくるみのような小説は、「ふ~ん」くらいな気持ちで、実は実はなんとも思わない。(ここまでで「実は」が3回)

 

「ツバキ文具店」や「キラキラ共和国」だって、鎌倉が舞台でなければ、実は読んでいなかった、と思う。(また「実は」出た!)

糸さんの目を通した、鎌倉の風景や暮らしの描写はとても好きなのだけど、主人公ポッポちゃんにはそれほどシンパシーを感じていない、というのが本音だ。

 

「ライオンのおやつ」に戻りましょう。

穏やかな気候の瀬戸内のホスピスに主人公はいる。

余命短いひとたちが、人生の最後に食べたいおやつを、エピソードと共に手紙に書き、リクエストするというストーリーは、「死」という辛く哀しい重たい事実をやんわりとオブラートに包んだミルキィ仕立て。

 

 糸さんの書く小説の主人公は、一貫して洗いざらしのコットンのような女性像。

リンネル系というのかしら。

糸さんのファン層もリンネル系女子が多いんだろう。

 

この小説、わたしにはそれほど…という感じではある。

 

  

俳句、のようなもの「片陰」


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片陰に入るあずきバー滴りて

(かたかげに いるあずきバー したたりて)

 

季語は「片陰」。

午後の日ざしが建物や塀に影を作る夏の日。

少しでも日影を選びたいという気持ち。

 

 

俳句、いろんな方の俳句を詠んで学習しつつ、わたしの「俳句、のようなもの」のイメージづくりをしてる段階。

って、詰まるところスランプ(笑)

17音の中にも、その人なりの俳句の匂い立つ世界観があって、短いだけに面白いものだと思う。

村上ポンチくんや、「俳句ストック」のこうのこうきさんは、かなり好きな世界観。

さて、わたしの俳句の匂いって??

読書「わたしの美しい庭」

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わたしの美しい庭  凪良ゆう

 

「流浪の月」に続き、凪良さん二冊目を読了したところ。

この小説の登場人物たち、「流浪~」のあの二人を、否応なく思い出させてくれるのは、効果的なのか?

キャラクターが被るってことはあまり好ましいことではないのではないかしら。

小説の背景も空気感も、ましてやストーリーもまったく別物なのだけど、大人びた小学生の少女と、その少女と絶対的に分かり合える30前後の男子。

この部分が、二つの小説の「核」となる部分が、同じってねー。

 

 

美しいと思えた存在「三浦春馬」が亡くなった。

30才の春馬。もうこれ以上年を取らない春馬。

春馬という「美しい庭」は永久になった。

 

なんとなく好きな俳優さん、うっすらぼんやり思っていたけれど、いなくなって、ハッキリ気づいた。

かなり注目してたってこと。

あちらの世界から見てみて、こちらの世界に未練はないですか?

「いいや、ぜんぜん。スッキリしたよ」というのであれば、それはそれで決めたことは間違ってなかったんだろう。

決断は一瞬だったんだろう。

  

 

読書『セバット・ソング』

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セバット・ソング  谷村志穂

 

谷村志穂さんは札幌生まれ。大学は北大農学部

北海道を舞台の小説のリアリティー

メイドイン北海道の人にしかない質感というかな。

そういうものを肌で感じながら、読むことができる数少ない作家さんである。

 

 

2017年刊行の「大沼ワルツ」に続く、大沼が舞台の第二弾の小説が「セバット・ソング」。

 

「大沼ワルツ」は実話をもとに、若い二人が大沼で結婚し、やがて大家族になってゆくという過程と、北海道大沼地区が観光地として開かれてゆく様子が並行する、スケールの大きな物語

こういう質のいい小説が売れてほしいと思ったものです。

 

かたや、今回は、大沼湖畔に佇む2つの児童更生施設が舞台。

今回も実際に七飯町に存在する「大沼学園」が小説の舞台のイメージ像というのは、分かり過ぎるくらいだ。

大沼には「セバット」という白鳥が渡来して羽根を休める場所が実際にあるそう。

主人公の兄と妹の「セバット」、安息と安寧の場所とは…。

 

谷村さんにとって大沼という土地は、小説のモチーフが浮かんでくる稀有な場所かもしれないです。

ある意味、大沼の捉えどころがない神秘性が、魂を揺さぶるのかも。

 

読書『流浪の月』

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流浪の月  凪良ゆう

 

2020年の本屋大賞受賞作品なので、面白くない訳がないのです。

わたしも三日で読了したという、ぐいぐいの小説でした。

ラスト、落ち着くところに落ち着いた二人。

衝撃的に突っ走ったストーリーだけに、ラストがシュルルと萎んだ感じがした。

まとめちゃったかな、という印象。

「ぐいぐい」と読まされただけに、圧巻のラストが用意されてると、エンターテインメント小説として、一段と面白さが増したのに。。

でも、本屋大賞ですから。充分面白いってことですから。。

 

凪良さん、次に発表した作品も図書館へ予約済み。

次もこうご期待ね。